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Musicul Instruments
-わたしたちが使っている楽器について-
Written by emy
ハーディングフェーレ Hardingfele
英語名は Hardanger fiddle(ハルダンゲル・フィドル)。
ハルダンゲル地方を中心に、ノルウェー南西部で使われる擦弦楽器。一見装飾されたヴァイオリンのようにみえるけれども、ルーツはヴァイオリンとは異なるという説が有力です。
通常、指板の上に4本の旋律弦、指板の下に駒を貫通する形で4〜5本の共鳴弦が張ってあります。共鳴弦とは、隣国スウェーデンの弦楽器ニッケルハルパにも張られる弦で、実際にそれを擦ったりはじいたりして演奏するものではありません。ですが、旋律弦が震えることで共鳴弦も一緒に振動し、豊かな響きをもたらします。わたしたちの耳には、北欧らしい澄んだ音色として届きます。
最古の例として有名なものは、ハルダンゲル地方のオーレ・ヨンセン・ヨスターによる1651年のもの、これは弦が全部で6本(旋律弦×4、共鳴弦×2)張られています。
また、それ以前にもこのような楽器が存在しただろうということが、それ以前からある楽器ケースの存在から推測されています。その後、弦の数は増えたり減ったりしながら、徐々にボディも現在の形に近づき、テレマルクのフィドル製作で知られた一族の出身であるエリンク・ヨーラン・ヘランド(1816 - 1868)らによって、19世紀にはヴァイオリンに近い形になりました。その時、それまではなかった顎あてが付けられるようになって、構え方も変わったといわれています。
◆特徴(ヴァイオリンとの違い)
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ボディに伝統的な絵柄(Rosing)が施されている
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貝殻(Morter of pearl)が表板裏板、指板に埋め込まれている
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リブが深め( f字孔の部分が立体的)
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ネックが短め
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ペグボックスは長く、彫刻されたヘッド(ライオンかドラゴン、時々女の人も)がのっている
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指板は平らで、駒も僅かにカーブするだけ(→重音とドローンを多用する)
◆チューニング
20を越えるチューニングが知られている
◆emyの使用楽器
二つ使っています。
一つは、2015年に購入した、ノルウェーで1964年に作られたもの(写真だと頭の方)
もう一つは、2017年に購入したもの(写真だと手に持っている方)
ハーディングフェーレを購入されたい方がいたら、ご相談のります(私はノルウェーに行くようになるまではかなり苦労しました)
フェーレ Fele
英語名は fiddle(フィドル)。
ハーディングフェーレが使われる地域以外で使われる。形状は普通のヴァイオリンなので、なんと呼ぶかいつも迷ってしまう。ノーマル・フィドルということもあるし。Felaと呼ぶ地域もあります。
レパートリーはハーディングフェーレとほぼ同じジャンルのもの。同じジャンルであっても地域ごとにレパートリーが異なり、また、同じ曲であっても地域ごとにリズムの訛りが異なるため違う曲のように聴こえたりするのは、ハーディングフェーレと共通です。ハーディングフェーレ、あるいはフェーレのみを演奏する奏者もいれば、両方を演奏する奏者もいます。
重音やドローンも比較的多く用いられ、細かいトリルを使うのが特徴。ヴィブラートは使わない(ことが多い)。チューニングは、上からe-a-d-gが多いけれど、d-a-d-gにしたり、e-a-e-aにすることも。
ひとりでダンスの伴奏をすることもあれば、Spelemannslag で重厚なハーモニーをつくることもある。
セリエ・フルート seljefløyte
日本では「柳の笛」と呼ばれることの多い横笛。
伝統的には、ノルウェーの長い長い冬の終わりに出てくる柳の新芽を使って作られる、春限定の笛だったそうです。2週間ほどの間しか使えなかったけれど、今はプラスチックで作られたものが流通していて、オスロの楽器屋さんの一部でも取扱いがあります。
指穴はなく、笛の先端を人差し指で塞いだり開けたり、息の強さで音程を作ります。独特な音階を奏でているように聴こえるのは、自然倍音列を使用しているからです。
山羊の角 bukkehorn
古くから伝わるノルウェーの笛。羊の角から作られることもあるそうです。通常、5〜7歳ぐらいの山羊の角が使われて、夏に、山の上で羊飼い同士が連絡を取り合うために使われてきました。
現在は、リードがつけられ、指穴も開けられ、ノルウェージャズに用いられることもあります。音色はサックスのような温かみがありますが、梅雨時の日本でその美しい音色を聴くことはほぼ皆無。ノルカルのライブで山羊の角が聴けるのは、ラッキーなときです。
山笛 fjellfløyte
指孔のある笛。
モーテンが使っているのは中国製だってきいたけれど実際は・・?こんなところにもグローバル化が、と思うことが、多々あります。
口琴 munnharpe
口琴は、世界中で愛されてきた楽器です。日本では、アイヌの人たちが竹製のものを中心に演奏しているけれど、ノルウェーのものは鉄製です。リズム楽器としても旋律楽器としても使われていて、口琴だけでダンスの伴奏をすることも可能です。
アコーディオン trekkspill
番外編。ノルカルTOKYOと共演を重ねるUlf-Arne Johannessenの演奏する楽器です。ノルウェーの場合はほとんどがボタン式で、ウルフ=アルネは一列のものと二列のものを演奏します。